「―――という訳、だ…………」
終始赤い顔をしながら話し終えた獄寺は、なんというかどこからどう見ても恋する乙女(…いや男?)だった。
「………なぁ、獄寺。…それ事故なんだろ?
ならそんなに気にすることもねぇんじゃね?……今朝の様子だとツナもキスしたことまでは気付いてないっぽいし」
「!!―――…キ、キスって言うなっ!!」
「だってお前もまんざらじゃないって顔してるぜ?
……まぁツナあんなんだし、惚れるのも分かるよ。可愛い顔してるもんな〜」
「――っ!!!」
「それにさー、あいつ優しいし、人の痛みとかも分かるし、ツナのことよく知ってるやつには結構好かれてるし。
おまえも好きなら早めに態度で示した方がいいぜ?横から掻っ攫われるのなんか見たくないだろ?
―――大丈夫!ツナすんげー流されやすいからっ!俺が保証するよ」
あっはっは、と笑う山本に対して、獄寺はと言うと口をあんぐり開けたまま停止中だ。
「――…まぁ、そういうこと。
ツナもおまえのこと大事に思ってるから、そんなに悩むなよ。
俺は応援するからさ〜」
最後に一発、獄寺の背中をバシンと叩くと、山本は屋上を後にした。
「―――なんか柄にもないことしちゃったな〜。
恋愛相談なんて、あいつがねぇ…。―――人は見かけよらないのなー」
軽い足取りで去って行く山本とは裏腹に、ひとり残された屋上で赤くなったり蒼くなったりをくり返す獄寺はと言うと、
「―――か、勝手なこと言いやがって……!
…こんなこと言われて、どんな顔して綱吉さんに会えってんだよっ……!!」
どうしようもない悪態をつきながら、あのやわらかい唇が触れた己のそれに、
ふるりと身を戦慄かせながら指を滑らせた。
まだ執筆中です。もう少々お待ちください。